プロペシア錠(フィナステリド)の効果と特徴

アイコン 2017.3.22 プロペシア

プロペシア(フィナステリド)錠は、MSD社から2005年に発売されたお薬です。5α還元酵素阻害薬に分類され、「男性における男性型脱毛症」(AGA)治療薬です。

AGAという言葉は、最近ではTVコマーシャルでも見かけるようになっています。AGAとは簡単に言うと、男性の「はげ」のことです。思春期以降に始まって徐々に額が後退していったり、頭頂部が薄くなっていったりするのは、成人男性の生理的現象です。

男性型脱毛症は生命に影響を及ぼす疾患ではないものの、外見上の印象への影響が大きいことから、薄毛に悩む男性の心理的ストレスは他人が考えるより大きいです。そういった男性の悩みを解決するお薬がプロペシアです。

特にプロペシアは、飲み薬として初めて発売されたAGAの治療薬のため、大きな注目を浴びたお薬でした。

ここでは、プロペシアの効果と特徴についてまとめていきます。

 

1.プロペシアのメリット・デメリットは?

プロペシアは、男性ホルモンであるテストステロンがジヒドロテストステロンに変換することで、毛髪の元になる毛母細胞の働きを低下させます。

プロペシアは男性型脱毛症(ハゲ)に対して治療効果を示すお薬です。「男性における男性型脱毛症」をAGAともいいます。ここでは脱毛症で統一して記載していきます。

プロペシアは、テストステロン(いわゆる男性ホルモン)をより活性の高いジヒドロテストステロンに変換する、2型の5α還元酵素を阻害します。

「脱毛症」を引き起こすジヒドロテストステロン血清中および頭皮中の濃度を低下させることにより、発毛および育毛効果を示します。つまり、男性ホルモンの毛髪への影響を抑えることで効果を発揮するのです。

プロペシアがジヒドロテストステロンを減らすことで、正常なヘアサイクルが続くようになります。その結果として、毛髪の本数を増やすわけです。プロペシアの効果を踏まえたうえで、メリット・デメリットをみていきましょう。

 

1-1.プロペシアのメリットは?

プロペシアの特徴は、2型の5α還元酵素を阻害するところです。これによって男性ホルモンを阻害することで脱毛の進行を止めるだけでなく、徐々に育毛、増毛も期待できるお薬です。プロペシアは、初の男性脱毛症の治療薬の飲み薬として多くの方に使われてきました。

プロペシアは、1日1回好きな時間に内服して良いお薬です。そのため、職場などで内服する必要はありません。朝仕事に行く前でも、寝る前でも内服可能なお薬です。そのため生活スタイルに合わせて内服できるため継続しやすいことが良いです。

 

1-2.プロペシアのデメリットは?

プロペシアは男性ホルモンの働きを抑えて、髪の毛の本数を増やすお薬です。ですから男性が年をとるにつれて、テストステロンが増加する脱毛症に対して効果があります。言い換えれば、

の方の脱毛症は同じ薄毛でも、男性ホルモンが関与しないため作用機序が違います。そのためプロペシアは、女性や小児には適応がありません。また、脱毛症の原因であるテストステロンがジヒドロテストステロンになって髪が薄くなるのを防ぐ作用がありますが、プロペシアの効果は緩徐です。

  1. ジヒドロステロンが徐々に低下する
  2. ジヒドロステロンが減少したことで、髪の元になる毛母細胞の働きが徐々にもとに戻る
  3. 毛母細胞の働きが元に戻ることで、脱毛症の進行が止まる
  4. 毛母細胞が活発化されて、徐々に髪が生えてくる

という経過をたどります。①から②、②から③まで移行するまで時間を要します。プロペシアの添付文章でも、最低6か月は続けるように記載があります。さらに、髪の毛の成長期のサイクルは2年から6年と長いため、プロペシアの効果を実感するには非常に長く続ける必要があります。

またプロペシアの副作用としては、

が挙げられます。プロペシアは男性ホルモンを減らす作用があるため、髪の毛だけではなく、全身に作用します。そのため、パートナーとの妊娠を考えている方は注意してください。

そしてプロペシアの一番の問題が、自費診療ということです。保険診療では「3割負担」や「1割負担」など、薬価の一部分を負担して購入することができます。しかしプロペシアは、10割全て自分で支払う必要があります。

「髪の毛が薄い」というのは医療ではなく、美容とみなされています。このためプロペシアは、自費になります。病院にもよりますが、1か月8000円~1万円程度の医療機関が多いです。

そのため、長期間お金を払い続ける必要があるため注意しましょう。

 

2.プロペシアの適応と使用は?

プロペシアは、男性の脱毛症に対して効果があります。プロペシアを毎日1回内服します。最低6か月内服する必要があります。

プロペシアは、

2種類が発売されています。剤型は錠剤のみです。

プロペシアの適応は、男性における男性型脱毛症です。女性および20歳未満の小児は適応外になるので、注意が必要です。

用法・用量ですが、プロペシアは男性成人に0.2mgを1日1回内服します。なお、必要に応じて1mgまで増量できます。添付文章ではこのように記載されていますが、プロペシア0.2mgと1mgは、副作用と効果に差を認めていないとされています。

処方する医師の考え方にもよりますが、実際はプロペシア1mgで処方することが多いです。ただしプロペシアの副作用として、性欲減少があります。そのためプロペシアの副作用が心配な人は、0.2mgから使用することももちろん可能です。

プロペシアで注意が必要なのは、使用期間です。プロペシア投与開始後12週間(3か月)で改善効果が認められる場合もありますが、治療効果を評価するためには、通常6ヵ月間の治療が必要です。逆にいえば、プロペシアを6か月内服し続けても脱毛症が進行するようであれば、効果不十分と考える必要があります。

プロペシアは、最高血中濃度時間は1.5時間です。また半血中濃度時間は4.11時間となっています。

 

3.プロペシアの実際の効果は?

プロペシアは、発毛(本数が増える)・育毛(髪の毛が太くなる)の両方の効果があります。また頭頂部や生え際などにも効果があります。プロペシアで効果不十分な人も、約8割でプロペシアは効果を認めました。

実際にどれくらいプロペシアの効果があるか、調べた臨床試験をみていきましょう。24歳から50歳の男性型脱毛症患者(414例)を対象とした試験があります。

48週間にて頭頂部毛髪の変化を写真により7段階で評価した結果、プロペシア投与群で、

に改善が見られたとなっています。プロペシアを内服した人は、半分程度の方が48週間(約11か月)後に効果を認めたとなっています。ただしこれは、頭頂部に関してのみの結果です。前頭部(生え際)の後退などは、この試験では調べていません。

実臨床では生え際にも効果があったという報告もありますが、頭頂部より多くはないといった印象があります。

 

4.プロペシアが向いてる人

まずプロペシアは、男性の脱毛症に適応があるお薬です。女性や小児の方で脱毛症に悩んでる方はプロペシアは適応外ですので注意しましょう。

さらにプロペシアは、少なくとも6か月は効果発現に時間がかかります。この6か月はあくまでも髪の毛がフサフサになるのではなく、効果が出始めるのが6か月です。髪の毛の目標は人それぞれですが、少なくとも2年~6年程度は時間がかかると考えた方が良いでしょう。

そのためすぐに何とかしたい人は、

など、髪の毛がプロペシアで生えてくるのを待つ治療は向いていません。隠したり、髪の毛を植え付ける治療の方が向いています。そして一番の問題は、お金です。

プロペシアは効果がしっかりと出るまで数年かかりますし、プロペシアをやめたら脱毛症が再発することを考えると飲み続ける必要が出てきます。一方でプロペシアは自費のため、1か月約9000円から1万円かかります。そのため年間で考えると、10万円以上かかります。

そのため、

この2項目がクリアできた人が向いてる人といえます。

一方で2015年に5α還元酵素の2型だけではなく、1型の両方を阻害するザガーロが発売されました。ザガーロはプロペシアより、

などのことから、プロペシアの方がザガーロより優れている点を見つけるのが非常に難しくなっています。実際にそれぞれの効果を確認した試験をみてみると、まず頭頂部の直径2.54cmに何本髪が増えたかという結果ですが、

薬の種類 効果(何本増えたか)
プロペシア1mg 56.5本
ザガーロ0.1mg 63本
ザガーロ0.5mg 89本
偽薬 -4.9本

プロペシア・ザガーロを内服した群では、両方とも増えています。ただし効果は、プロペシアよりザガーロの方が高いという結果になりました。

また髪の毛がどれくらい増えたかだけでなく、その太さも確認しています。

薬の種類 効果(どの程度太くなったか)
プロペシア1mg 4.0
ザガーロ0.1mg 3.9
ザガーロ0.5mg 5.8
偽薬 -0.9

先ほど同様、プロペシア1.0mgでは4.0に対してザガーロ0.5mgでは5.8と、こちらも1.4倍の効果を認めます。

このことから現時点では、ザガーロを第一に選択することも多いです。また、プロペシア1mgで十分効果が認められなかった方が、ザガーロに切り替えてどれくらいの方が効果があるのか確認した試験があります。海外の臨床試験では、ザガーロを6か月内服した場合、31例中24例(77%)に効果があったとされています。

プロペシアは、脱毛症の進行が抑制されることは多いですが、増毛を認めることは少ないお薬です。ただしプロペシアで効果が持続している人が、あえてザガーロに変更する必要はありません。実際にプロペシアで効果がある人がザガーロに変えて、さらに効果があったか確認された試験はありません。

薬は合う合わないが人によってありますので、プロペシアで満足できる結果が続いてる人はぜひ継続しましょう。

 

5.プロペシアの作用機序は?

プロペシアは、テストステロンをより活性の高いジヒドロテストステロンに変換する2型の5α還元酵素を阻害します。これによって髪の毛の細胞を活性化することで、脱毛を改善します。

まず男性型脱毛症のヘアサイクルをみていきましょう。髪の毛のサイクルは、

  1. 毛球の退縮が始まる(退行期2週間)
  2. 毛球が完全に退化し休止期を経て(休止期3~4ヵ月)
  3. 脱毛し新しい毛が生えてくる

を繰り返していて、この成長期の期間は2年~6年が一般的です。一方で男性型脱毛症に関与する主なアンドロゲン(男性ホルモン)のジヒドロテストステロン(DHT)は、毛髪の元になる毛母細胞の働きを低下させる作用があります。

このジヒドロテトステロンが毛母細胞ヘ作用した結果、サイクルの成長期が短縮し(数ヶ月~1年)、硬毛が軟毛化することで薄毛が徐々に進行します。

プロペシアは、テストステロンからDHTに変換する作用がある2型の5α還元酵素を阻害する効果があるお薬です。この還元酵素を阻害することで、テストステロンがDHTに変換するのをふせぎます。DHTを防ぐことで、再び髪の毛の正常なサイクルに戻します。

しかし一度脱毛症になった場合は、時間がかかります。森林などの自然も一度荒野になったら、元の森林に戻るまで時間がかかります。

プロペシアはあくまでも、自分自身で髪のサイクルが元に戻って作り出すのを助けるお薬です。そのため、効果発現に時間がかかります。

また同じ脱毛症治療薬であるザガーロも、5α還元酵素を阻害する作用があります。しかし、

となっています。そのためプロペシアにプロペシアを足しても、あまり意味がないとなっています。

 

まとめ

<メリット>

<デメリット>

<向いてる人>

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