カロナール錠(アセトアノミフェン)の効果と特徴

アイコン 2016.11.2 カロナール
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カロナール(一般名:アセトアミノフェン)は、1984年に昭和薬科より発売された解熱鎮痛薬です。ロキソニンなどのNSAIDsとは別の作用機序を持ちあわせており、安全性が高い解熱鎮痛薬として幅広い方に使用されています。

注意が必要なのは、カロナールなどの解熱・鎮痛薬は症状を一時的に抑えるお薬であり、病気自体を治す治療薬ではないということです。安全性が高いし便利だろうということで安易にカロナールに頼っていると、思わぬ重篤な病気が隠れている可能性もあるのです。

ここでは、カロナールの効果の特徴を詳しくお伝えし、どのような疾患・症状に使われるのか、説明していきたいと思います。

 

1.カロナールのメリット・デメリット

<メリット>

<デメリット>

カロナールは、昔はロキソニンなどと同じNSAIDsに属してました。NSAIDsとは、Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの略です。日本語にすると、NSAIDsとは「ステロイド作用を持たない炎症を抑えるお薬」ということになります。

ステロイドは熱や痛みの原因となる炎症や免疫を抑えますが、それ以外にも様々な影響があり副作用がとても多いです。ステロイドについて詳しく知りたい方は、「プレドニンの効果と特徴」について一読してみてください。

NSAIDsは、アラキドン酸カスケードをブロックすることで炎症を抑えて効果を発揮します。それに対してカロナールの有効成分のアセトアミノフェンは、このアラキドン酸カスケードにはほとんど関与しないことが分かってきました。そのためアセトアミノフェンは、NSAIDsとは別の新しいお薬として位置づけられています。

NSAIDsと違って良い点は、副作用が高用量のカロナールを長期にわたって使用したときに少ないことです。NSAIDsは、胃腸障害や腎障害など多岐に渡ります。詳しく知りたい方は、「ロキソニンの副作用と安全性」一読してみてください。それに対してカロナールは、稀に肝機能障害を認める程度です。このため、慢性疼痛にも使いやすいお薬になります。

ですからカロナールが使用できない症例は、重度の肝機能障害を認める方ぐらいです。NSAIDsは妊娠後期の方には赤ちゃんに影響を与えるので禁忌ですが、カロナールは影響が少ないです。さらにインフルエンザでは、NSAIDsはインフルエンザ脳症のリスクを高めるので使われません。カロナールは、インフルエンザなどの発熱に対しても良く処方されます。

このように、安全性が高いのがカロナールです。そのため様々な病気などがあって心配な方は、NSAIDsの前にまずカロナールと考える医師も多いです。

 

安全性が高いと、そのかわりに効果が弱いのではと思われる方も少なくないかと思います。

実際にNSAIDs>アセトアミノフェンとしている情報が多くみられるかと思います。しかし最近では、カロナールなどのアセトアミノフェンは決して効果が弱いわけではないことが分かってきました。カロナールの投与量が少ないため、効果が少なく感じられたにすぎないと考えられてきています。

そのためカロナールは、以前は200mgが主流でしたが、現在は300mgや500mgといった高用量のカロナールも発売されています。

このように副作用も少なく効果も高い万能なカロナールですが、一つ注意することがあります。カロナールなどのアセトアミノフェンは、病気を治しているわけではありません。一時的に症状を緩和しているに過ぎません。症状を緩和するというのは、警報機をオフにするようなものです。私たちの体は、重篤なことが起これば、強い痛みや熱を発して私たちの体に何かあったことを教えてくれます。

そのことをよく理解して、カロナールは慎重に使うようにしましょう。

 

2.カロナールの適応と投与量は?

カロナールは、鎮痛剤や解熱剤として多くの病気に適応があります。また小児に対しても適応があります。

カロナールの剤型は、

の多数の剤型および量が発売されています。カロナールは非常に安全性が高いため、老人や小児の方などのために様々な投与方法があります。

  1. 頭痛,耳痛,症候性神経痛,腰痛症,筋肉痛,打撲痛,捻挫痛,月経痛,分娩後痛,がんによる疼痛,歯痛,歯科治療後の疼痛,変形性関節症
  2. 急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
  3. 小児科領域における解熱・鎮痛

に対して適応があります。痛みを取りたい場合や、熱が出た場合のとりあえず下げたい場合に、カロナールは広く使われています。上の疾患をよく見ていただきたいのですが、癌での痛みや発熱にも適応があるお薬です。かなり幅広く使われているのが分かります。

投与量ですが、まず痛みに対して使用する場合は、成人には1回カロナール300~1000mgを投与間隔は4~6時間以上とします。なおカロナールは、1日総量として4000mgを限度とします。

カロナールの投与量は1回300~1000mgになりますが、これはかなり幅があるように感じるかと思います。実は近年、このカロナールの投与量が少ないから効果が弱いと言われていたのではないかと多くの学会で言われています。

1990年の頃は、カロナール200mgを2錠で朝・昼・夕で内服することが多かったです。これは添付文章で、「カロナールの投与量が1500mgを超えた場合に重篤な肝機能障害が出現することがある」と記載されていたためです。つまりカロナール400mg×3回=1200mgが限度と考えられていました。

しかし最近多くの報告で、カロナールは重篤な肝障害がない限り4000mgまで内服しても問題ないことが分かってきました。実際にアメリカではカロナールは市販薬として売られていて、多くの方が4000mgまで内服する一般的なお薬となっています。

そのため現在日本でもカロナール200mgの他に、カロナール300mgや500mgが主流になってきました。実臨床でも200mgを2錠よりも300mgや500mgを2錠内服させた場合、ロキソニンに決して負けない疼痛効果があると実感しています。

ただし、カロナールを解熱薬として使用する場合は、成人には1回カロナール300~500mgを頓用としていきます。原則としてカロナールを1日2回までとし、1日最大1500mgを限度とするように記載されています。この点に関しても、今後カロナールの解熱効果を十分に考慮していく必要があるかもしれません。

また小児に関しては、カロナールを体重1kgあたり1回10~15mgを経口投与し、投与間隔は4~6時間以上とします。なお、カロナールの1日総量として60mg/kgを限度とします。目安としては

となっています。

カロナールは、最高血中濃度に達するのが約30分から1時間です。またカロナールは、内服してから2時間半前後に半減期を迎えるため、蓄積も少ないお薬です。

 

3.カロナールの薬価は?

カロナールは剤型も豊富で、ジェネリック医薬品も発売されていますが、先発品と全く同じ価格です。

次にカロナールの薬価です。カロナールは古いお薬な上に多くの症例で使用されるため、ジェネリック医薬品も数多く登場しています。まずカロナールの薬価ですが、

  剤型 薬価 3割負担
カロナール錠 200mg 7.6円 2.3円
カロナール錠 300mg 8.5円 2.5円
カロナール錠 500mg   9.8円  2.9円
 カロナール原末  1g  7.2円  2.2円
カロナール細粒 20% 8.2円 2.5円
 カロナール細粒  50%  9.8円  3円
カロナールシロップ   2%  4.6円 1.3円 
カロナール座薬 100mg 19.3円 5.8円
カロナール座薬 200mg 28.2円 8.5円
カロナール座薬 400mg 44円 13円

※2016年10月26日時点での薬価です。

となっています。カロナールはかなり安いお薬です。次に後発品であるアセトアミノフェンの価格をみてみましょう。

  剤型 薬価 3割負担
アセトアミノフェン錠 200mg 7.6円 2.3円
アセトアミノフェン錠 300mg 8.5円 2.5円
アセトアミノフェン原末  1g  7.2円  2.2円
アセトアミノフェン細粒 20% 8.2円 2.5円
アセトアミノフェンシロップ   2%  4.6円 1.3円 
アセトアミノフェン座薬 100mg 19.3円 5.8円
アセトアミノフェン座薬 200mg 28.2円 8.5円
アセトアミノフェンDS小児用 20% 9.3円 2.8円

※2016年10月26日時点での薬価です。

このようにジェネリック医薬品であるアセトアミノフェンは、カロナールと全く同じ価格です。カロナール自体が実は保険上ではジェネリック医薬品に属しているためです。

アセトアミノフェン成分は1800年代から広く使用されていました。そのため、先発品・後発品の考えが始まる前から使われていたためカロナールとして販売された時にすでに後発品という扱いになっていたのです。

 

.カロナールが向いてる人は?

<向いてる人>

カロナールは、NSAIDsとは別の機序のお薬です。肝機能障害以外の副作用も少なく、使用できる条件も広いため、医師によってはNSAIDsよりもまずカロナールという方も大勢います。

カロナールが向いてると言えるのは、NSAIDsが使用できない症例です。NSAIDsは胃腸障害が多いため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍がある方は使用できません。そういった方はカロナールが向いています。

このようにカロナールは安全性が高く、長期にわたってお薬を使う必要がある慢性疼痛の方に向いています。肝臓に負担がかかるため、肝機能障害には注意しながら使っていきます。

またNSAIDsは、腎機能障害も出現します。カロナールも「重篤な腎障害には使用できない」と記載がありますが、NSAIDsよりは腎機能障害が少ないというのが臨床での感覚です。そのため軽度の腎障害であれば、まずカロナールと考える医師が多いです。

またNSAIDsは、動脈管閉塞のリスクがあるため妊娠後期の方には禁忌になっています。そのため妊婦の方、出産後の方はカロナールで対応します。

さらにいえば、高齢者や小児の方もカロナールの良い適応です。高齢者はNSAIDs投与にて、副作用が強く出てくる可能性があります。また小児は、一部のNSAIDsしか適応が通っていません。

インフルエンザの方も、NSAIDsに良い適応です。インフルエンザにNSAIDsを使用すると、インフルエンザ脳症になるリスクがあるためです。

このようにNSAIDsが使用できない症例には、カロナールは良い適応です。また、効果も近年見直されてきています。決してNSAIDsよりカロナールが劣っているというわけでもないです。またNSAIDsとカロナールを併用しても問題ありません。

普段はカロナールで対応して、頓服でNSAIDsを追加する方法もあります。このように幅広い症例にカロナールは使用されます。

大切なのは、カロナールは症状の原因を治すことは一切しません。逆にカロナールで長期間様子をみていたら手遅れになってしまった症例を、医師は数多くみています。

原因が分からずカロナールでも効果がない場合は、まず病院を受診するようにしましょう。

 

5.カロナールの作用機序は?

カロナールは、脳の視床下部に働きかけることで熱を下げたり、痛みを感じづらくさせます。

解熱鎮痛薬として多く使用されるNSAIDsは過剰なプロスタグランジンが関係しています。カロナールを含むNSAIDsは、PGを生産する経路であるアラキドン酸カスケードをブロックすることでその効果を発揮します。その作用点は、シクロオキシゲナーゼ(以下COX)になります。

このCOXを阻害して痛みを和らげるのです。カロナールなどのアセトアミノフェンは、このCOXを阻害する作用がほとんどないことが分かっています。カロナールの細かい作用機序は現在でも不明な点が多いですが、一般的に脳に働きかけて調整することが知られています。

解熱と疼痛、それぞれについてみていきましょう。

 

5-1.カロナールの解熱作用は?

カロナールの解熱の作用は、脳の視床下部の体温調節中枢に作用して熱を下げるといわれています。具体的には以下の2点です。

  1. 皮膚血管を拡張させて体温を下げる
  2. 汗を促す

まず1の血管拡張の効果ですが、手や足の末梢の血管が開くと血流が良くなります。血流が良くなることで、熱の放出につながります。

2の汗を促すのは、熱を下げる一般的な作用です。私たちが夏場に汗をかくのは、汗をかいて体を冷やそうとする生理作用です。汗をかくことで、蒸発する時に周りの熱を奪って体を冷やします。

この時に気を付けなければいけないのが、脱水や血圧低下です。血管が開いて血流が流れやすくしますが、そもそも流れる血液が足りなければ血圧が下がるだけです。さらに汗をかくことで、さらに水分が減ってしまいます。

熱を出している時は、食欲もなく脱水になりやすいです。そのためカロナールを内服する際は、脱水にならないように水分補給を気を付けるようにしましょう。

またカロナールは高熱を正常な体温に下げる作用はありますが、正常な体温を更に下げてしまうという事はほとんどありません。そのため、非常に使いやすいお薬です。

 

5-2.カロナールの鎮痛作用は?

カロナールの鎮痛作用の機序ですが、こちらも完全には解明されていません。カロナールにて脳の視床と大脳皮質に作用する事で痛みを感じにくくさせているのだと考えられています。

痛いと感じるのはけがや病気をした部位ではなく、その部位から発生した物質を脳が感じていたいと感じるのです。痛みの物質は、プロスタグランジンといいます。

NSAIDsはこのプロスタグランジンを阻害することで、痛みが和らぎます。カロナールはこのプロスタグランジンを脳で感じづらくさせること(痛みの閾値をあげること)で鎮痛作用を有するとされています。

その他、カンナビノイドやセロトニンなど痛みを感じるづらくする物質を増やすことで痛みを感じづらくする作用があると考えられています。

 

まとめ

<メリット>

<デメリット>

<向いてる人>