内科の種類にはどんなものがあるのか

アイコン 2016.3.1 内科について

最近は医療ドラマが人気になってきて、医師の仕事を垣間見ることができるようになってきています。しかしだいたいどのドラマでも、外科の先生が難しい手術を成功させて・・・と外科にスポットライトがあてられることが多いです。

一方で内科はどうでしょうか?パッと言われてイメージがわかない人も多いかと思います。ドラマでも内科の先生は登場しますが、診察や治療などで活躍することは少ないので、地味な印象になってしまいがちです。

内科と一言で言っても、さまざまな専門分野に分かれています。内科にはどのような分野があって、各々どういうことをしているか簡単にまとめてみました。

現在かかっている病院の先生のプロフィールをみれば、「〇〇科専門医」などの資格があると思います。これをみれば、その先生がどの病気に強みがあるのかがわかります。

ここでは、内科の種類にはどのようなものがあるのかを伝えていきます。その上で、どのような症状があるときにはどの科にかかればよいのか、簡単にまとめてみました。

 

1.内科の専門分野にはどういった科があるの?

主に消化器内科、循環器内科、内分泌糖尿病内科、腎臓内科、呼吸器内科、血液内科、神経内科、リウマチ内科の8科をまとめて内科と呼ばれています。

一言で内科といっても、さまざまな種類の専門分野があります。それぞれの専門分野では、医者の勉強の集まりである「学会」が開催されています。2016年度の内科学会は、以下の計13科でまとまっています。

このうち大まかに分けると、

の8科に分けられます。それぞれの特徴をまとめてみましょう。()の数字は2016年の大まかな専門医の数になります。

 

①消化器内科(約1万5千人)

診ている臓器

日本消化器病学会、日本肝臓学会の2つに属している先生が多いです。食道・胃・腸など食べ物が通る消化管の他に、肝臓・膵臓・胆嚢など消化器に付随した臓器を診ることが多いです。イメージとしてはお腹の中の臓器全般と考えると良いかもしれません。

どういった症状で受診すれば良いか?

お腹が痛かったらまず消化器内科でしょう。その他に食欲がない、下痢・嘔吐なども消化器内科をまず受診するのが一般的です。これらに対して、場合によっては腹部のレントゲンやCTを撮影して評価したり、超音波検査(エコー)をしたり、胃カメラや大腸カメラで病状を調べたりします。

主に診ている病気

他の科がだいたい一つの臓器であるの対して、消化器内科はたくさんの臓器をみます。その分疾患の数も多数あります。

胃・十二指腸炎や潰瘍の消化管の病気に加えて、肝炎、膵炎などのそれぞれの臓器の病気を診ます。場合によっては胃癌や肝臓癌などの癌も診ます。

 

②循環器内科(約1万人)

診ている臓器

主に心臓を診る科になります。その他血液の循環に関わる血管の病気も診ることがあります。

どういった症状で受診すれば良いか?

動悸や胸が痛むといった症状があれば、循環器を受診するのが一般的です。心電図検査を行うことが多く、必要があれば心エコーで評価した後、カテーテル検査で心臓の評価と治療をします。

主に診ている病気

日本の死因第一位である心筋梗塞を主に治療します。その他、狭心症や不整脈、高血圧など心臓に関わる病気を診ていきます。

 

③代謝内分泌・糖尿病内科(約4500人)

診ている臓器

糖尿病は、血液の中の糖分が高くなる病気です。これらの血糖値のコントロールをする科が糖尿病内科となります。

脂質異常症なども含めて、動脈硬化につながる生活習慣病を全般的に管理していきます。また、体内のバランスを保つのに大きな働きをするホルモンの異常も取り扱うので、あわせて代謝内分泌科と呼ばれます。

どちらも血液検査が中心となります。ホルモンは通常の血液検査で測定することはなく、症状から疑って検査を行います。その上でホルモンバランスが採血結果で崩れていると、内分泌疾患ということになります。他の科で分かって、精査や治療のために内分泌内科に紹介されることが多いです。

ホルモンを分泌する臓器はたくさんあり、脳の一部(下垂体)、甲状腺、副腎など全身に渡ります。

どういった症状で受診すれば良いか?

糖尿病や内分泌疾患では、症状が色々出てきます。この症状が出たら代謝内分泌・糖尿病内科へとは言いづらいかです。主に採血結果で異常が認められた時に、血糖値やコレステロールや中性脂肪で異常がみられたときに、代謝内分泌・糖尿病内科がすすめられます。

主に診ている病気

糖尿病が大部分となります。その他高脂血症などの代謝異常も診ることがあります。バセドー病などの甲状腺の病気など内分泌の病気も診ていきます。

 

④腎臓内科(約4000人)

主に診る臓器

腎臓は尿を作って老化物を体から出す臓器です。腎臓が悪いと最終的には尿が作れなくなり、透析といって機械で老化物を出すことになります。透析クリニックなどはそのため、主に腎臓内科の先生がやっていることが多いです。

どんな症状で受診すれば良いか?

足が浮腫んだり、血尿が出た等の症状があれば腎臓内科を受診します。しかし足が浮腫む原因としては心臓もありえるので、循環器内科を受診しても良いですし、血尿がみられれば最初に泌尿器を受診しても良いと思います。受診する最も多い理由が採血で腎機能が低下している時です。腎不全が疑われたり、尿から血液やタンパクを認めて受診をすすめられる場合もあります。

主に診る病気

腎不全の原因として最も多いのが糖尿病です。そのため、透析までいくほどの重度の方は、糖尿病内科ではなく腎臓内科で診ていくこともあります。その他、腎不全の原因になる病気の精査をしていきます。病院によっては腎盂腎炎や膀胱炎など尿路系に関わる感染症も診ていきます。

腎臓癌は診ることは少なく、主に泌尿器になります。

 

⑤呼吸器内科(約5000人)

主に診る臓器

息を吸って吐くという呼吸に関わる肺を診ていく科になります。場合によって息の通り道である気道や咽頭なども診ていくことになります。

どんな症状で受診すれば良いか?

主に、咳や痰の症状でかかることが多いです。息切れがしても、まず呼吸器内科を受診することが多いです。胸部レントゲン写真で異常がないか、みていきます。場合によっては胸部CTで細かく調べたり、気管支鏡検査や呼吸機能検査で診断を付けていくことになります。

主に診る疾患

肺炎や喘息、肺気腫など肺に関わる病気を診ます。また、肺癌なども診ていくことになります。睡眠時無呼吸症候群など、肺以外でも呼吸に関わる病気は主に呼吸器内科が診ることが多いです。

 

⑥血液内科(約3000人)

主に診る臓器

血液は、全身に行きわたる物質です。通り道や血液をポンプのように押し出す心臓を診るのは循環器内科で、実際にその中を通っていく血液成分は血液内科が診ていきます。また、リンパ節が腫れた場合も血液内科が診ることが多いです。

どんな症状で受診すれば良いの?

貧血の症状としては立ちくらみやめまい、動悸などがありますが、これらの症状でいきなり血液内科を受診することは少ないと思います。主に採血結果で、赤血球や白血球、血小板の値が異常な時に医師から紹介されます。また、首やわき、足の付け根のリンパ節が腫れている場合も紹介されることがあります。

主に診る病気

貧血や血小板異常などの際には、細かく採血して原因を調べます。また白血病や悪性リンパ腫含めて、血液の癌を専門に見ていきます。血液の病気は免疫力が低下するため、さまざまな感染症もみていきます。

 

⑦神経内科(約5000人)

主に診る臓器

体の司令塔である脳の病気を診ていきます。しかし一方で、神経は足先や指先から体の中まで、色々なところを張り巡っています。神経が関係してくると思われる全身の病気をみていきます。

どんな症状で受診すれば良いの?

一番多いのは、頭痛だと思います。しかし手足が痺れる、力だが入りづらいといった末梢神経の症状も診ることになります。必要によっては、頭部CTやMRIなどで評価します。ハンマーを持っている先生が多いのが特徴で、神経の反応をハンマーでみて調べていきます。

主に診る疾患

病院によりますが、脳梗塞はまず神経内科で対応することが多いです。時間が勝負の疾患ですので、神経内科がない病院はそのまま転院搬送になるかと思います。その他、片頭痛などの器質的な頭痛、パーキンソン病など神経障害の病気を診ていきます。

 

⑧リウマチ内科(約2000人)

主な臓器

膠原病という特殊な病気を診る科です。関節が腫れることが多いですが、全身に症状を起こすため一概に関節だけとはいえません。

どんな症状で受診すれば良いの?

主に関節が腫れてリウマチが疑われた時に受診します。しかし関節といえば、まずは整形を受診をする方が多いでしょう。そのため、必要があれば医師から紹介されることが多いです。

主に診る疾患

リウマチを中心とした膠原病を診ます。またずっと熱が続いている不明熱なども、リウマチ科が診ることが多いです。

 

2.どの内科にかかれば良いかわからない場合は?

様子をみていて悪化するのが一番よくないです。クリニックで良いので、まずは早く受診することが大切です。

「内科でも色々分かれているし、どこに受診すれば良いか分からないよ。」
「そもそも内科で良いの?」

そんな方も多いかと思います。身体の調子が悪いときに、とりあえず様子を見ておこうというのが一番良くないです。どこを受診するのが良いか分からないのなら、まずは近くの内科を標榜しているクリニックを受診してみましょう。

クリニックは主に、軽症な方を診る場合が多いです。クリニックで処方してもらって良くなればそれで良いですし、良くならなければ対応できる専門の科を紹介してくれると思います。はじめて診察をした時点で状態が悪ければ、そのまま大きな病院に行くこともあるかと思います。

繰り返しますが、体調が悪いと感じたら様子を見ず、まずは受診することが大切です。日本は医療保険制度の恩恵で医療にはアクセスしやすくなっています。健康は当たり前に感じている方も多いですが、失った時に初めてあり難さがわかるものです。

 

同じ症状でも原因が異なれば担当する科が異なることもよくあります。胸が痛いという主訴の患者さんでは、心筋梗塞で循環器内科で対応することもあれば、肺がつぶれる気胸で呼吸器内科で対応することもあります。

お腹が痛くて消化器内科を受診したら、卵巣捻転と診断されて内科から産婦人科と、内科という枠を飛び越えて紹介されることも良くあります。

病院で検査してもどの科が最適か迷うこともありますし、心臓と腎臓両方悪かったなど複数の病気が見つかることもあります。身体の一か所が病気になってしまったら、それをカバーするべく他の臓器が頑張って、結果として色々な病気になっているということはよくあります。

 

大切なのは、こういった状況を早く見つけることです。

一歩を踏み出さずに様子を見てたら悪化して救急車で運ばれた
病院に運ばれた時はかなり病気が進行していて手遅れに・・・

そんな時に、もう少し早く来てくれれば・・・と思うことは日常茶飯事です。

自分の体は自分で守るのが大前提です。助けを求められて初めて医師は動きます。ドラマみたいに、廊下ですれ違った瞬間に病気だとわかって治療するなんてことはまずないのです。

何か症状があるというのはあなたの体に何か起きているというサインです。その警報をくれぐれも逃さないようにしましょう。

 

まとめ

内科も様々な専門分野に分かれています。医学の知識は非常に膨大なので、ひとつの専門分野に特化して知識と経験をつけていく必要があるのです。

各分野の専門医は、多くの場合で短くとも5年ほどがかかります。専門医を持っている先生は、少なくとも5年ほどはその病気にどっぷりつかった生活をしています。当然、知識と経験が積み重なっています。

専門外の病気も、当直などをしながら当然みています。「〇〇科だから〇〇の病気以外はみれない」ということは、まずありません。ですからどの科を受診していいのかわからない時は、まずは近くの内科に相談しましょう。

何かしらの専門医を持っている先生であれば、適切な道筋をつけてくれるだけの知識と経験を持っていると思います。