内科クリニックの実情とは?内科クリニック受診で注意するポイント

アイコン 2016.8.27 内科について

現在の日本の医療は、まずクリニックを受診して重症であれば総合病院を受診し、症状が安定したらクリニックでフォローしていくという形が一般的です。

詳しく知りたい方は、「自分の症状はクリニック、大きな病院どちらを受診すれば良いの?」を一読してみてください。

一方で最初から総合病院を受診したい、症状が安定しても総合病院に通い続けたいという方は多いです。

理由は様々かもしれませんが、私も総合病院に勤めている時、クリニックに受診することをためらう方もいらっしゃいました。

ここでは、クリニックの実情についてお伝えしていきたいと思います。クリニックを受診するにあたって、注意するポイントもお伝えしていきます。

 

1.日本のクリニックってどれくらいあるの?

日本では今、クリニックは10万近くあります。この数はコンビニが5万5千のため、コンビニの倍近くとなります。

2013年度のベッドがないクリニックの数は 9万1279施設となっています。20床以下であればクリニックとなるので少しベッドがあるクリニックも足したら、日本のクリニック数は10万近くにもなるのです。

ちなみに日本のコンビニの総数は2015年度で5万5千となるため、今や日本ではコンビニの倍近くクリニックがあることになります。コンビニは、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどの親会社の元に経営されているところがほとんどです。

クリニックは、医師が一人でもいれば成り立ちます。そのためコンビニのように系列でやっているクリニックもありますが、個人経営のクリニックが多数あります。

コンビニであればどこに行っても同じようなサービスを受けられますが、クリニックは病院によって千差万別です。そのため、一つのクリニックがダメだったからといって他の10万以上あるクリニック全てを否定する必要はありません。

 

2.クリニックの標榜科目(内科)と医師の専門性があっているかチェック

クリニックは、医師が一人でもいれば成り立ちます。そのため医師の力量や考え方でそれぞれのクリニックは全く異なります。クリニックで内科を標榜していても、医師の専門性が内科にあるのかを確認しましょう。

「内科なんてどこも同じでしょ」と考えている方も少なくありません。「風邪をひいたから近くのところに受診しよう」「あのクリニックはキレイそうだから受診しよう」といった患者さんも多いかと思います。

しかしながらクリニックによっても違いは大きいですし、診察する医師の専門性をチェックした方が良いです。

先ほどクリニックとコンビニを比べましたが、どちらかというとコンビニよりもラーメン屋にたとえた方が分かりやすいと思います。

日本のラーメン屋の数も3万5千軒とコンビニと比べたら少ないですが十分多いと思います。どの町にも必ず1件はあるのではないでしょうか?ただしラーメン屋も、それぞれのお店で全く違うと思います。

どれをとってもラーメン屋とは全く違いますし、お客さんによっても気にするポイントは違うと思います。しかしどのお客さんも、ラーメンの味は評価するポイントになると思います。ラーメンの質自体が悪ければ絶対に流行らないでしょう。

ただしラーメンの味も色々と特徴があります。

など様々あるうえに、特殊なタイプのラーメンも数多く登場しています。ただしどの種類のラーメンでも、不味ければ流行らないでしょうし、不満も出てくるかと思います。実はクリニックもラーメン屋と同じなのです。

これはクリニックによっても全く違います。しかし患者さんが一番求めるのは医療の質でしょう。実は医療もラーメンの味と同じように様々な分野に分かれています。内科一つとっても、さまざまな種類の専門分野があります。大まかに分けると、

の8科に分けられます。これらの科について詳しく知りたい方は、「内科の種類にはどんなものがあるのか」を参照してみてください。もちろん内科を標榜していれば、どの分野もある程度はみれます。しかしラーメン屋と同じように、得意なジャンルというものがあるはずです。しょうゆ味のラーメンが売りのお店が、タンメンも作っているといった感覚でしょうか。

 

ただし注意しなければいけないのが、クリニックは専門外の分野も標榜することができます。つまりイタリア料理や中華料理屋さんが、売れなくなったからといってラーメンも販売できるのです。

もちろんこういったお店でも、向上心があれば美味しいラーメンが作れるかもしれません。しかし客集めのために即興で作ったラーメンが美味しいでしょうか?大部分は不味いラーメンとなってしまいます。実は医療でも同じような現象が起こってます。

特に内科は現在の研修制度で必ず2年間の期間で数ヶ月研修するようになっています。全く関係がない科が内科を標榜することができるのです。そのため、ケーキ屋がまさかラーメン??みたいなことがあります。

しかし、ラーメン屋とクリニックで決定的な違いがあります。それはラーメン屋は味を評価しやすいですが、クリニックの医療行為は一般の人から見たら評価しづらいのです。おそらくラーメン屋なら不味い所は自然と潰れていくかと思います。

一方でクリニックは不味い診療を行っていたとしても、大抵はつぶれずに何とかなります。軽症例であれば、実は不味い医療行為であっても大体何とかなってしまうのです。むしろ医療行為が不味くても、

などで何とかなってしまうのがクリニックの恐ろしいところです。このことは、数字でも如実に現れています。

この数字の差は、いかにラーメン屋と比べてクリニックが生き残りやすいか分かるかと思います。他の業界に比べて、クリニックは医療の質が低くても潰れにくい世界なのです。

 

3.内科クリニックの医師には違いがあるのか

医師は、医学部と医師国家試験に受かる学力があればなることができます。それぞれの性格、考え方などは全く違います。さらに医師免許を一度とれば、どんなに医療技術がなくてもはく奪されることはありません。

みなさんは医者というとどのようなイメージをお持ちですか?最近では医療ドラマなどで医者の日常がとりあげられることもあり、かつてほどに理想化された医者像はなくなっているかと思います。

医者になるのはどのような人でしょうか?医者になるためには、医学部に入学する必要があります。この時点で他の業種と大きく異なります。大学入学の時点で決まってしまうのです。高校生の頃から仕事について関心が高く、仕事として医者を選ぶという人はごく少数です。

多くの方が以下のような理由になります。

それでは医者になる最大の関門ともいうべき医学部試験とはどのようなものでしょうか?多くの大学では、

  1. 筆記試験
  2. 面接

の2つで評価されることが多いです。その中でも、筆記試験で大部分が決まります。面接に関しては、「人間として医師として素晴らしい人格者を採用する」よりは、「医師として不適格な人を落とす」ことに重きが置かれることが多いです。

つまりどんなに人格者で医師として素晴らしい性格を持っていたとしても、筆記試験の成績が悪ければ医学部には合格できません。逆に筆記試験が満点であれば、よほど性格に難がなければ落ちることが少ないです。

面接内容は大学によってまちまちですが、大体15~30分といったところが多いです。その時間で「医師にしたらこの人は絶対ダメだな」って思わせるような人は、よほどマズイ人かと思います。

そして今の日本は、医学部にさえ入れれば医師にほぼなれます。医師国家試験の合格率は、9割台と非常に高いです。

つまり最初の大学入試で筆記試験を通過すれば、ほぼ医師になれるのです。筆記試験の科目は大学によってまちまちですが、英語、数学、理科などの科目が多いです。しかし冷静に考えてみるとこれらの科目は医療とは関係ない場合がほとんどです。

医療の質とは関係のないもので評価して、大学入試さえ通過すればその後は医師まで一直線と考えてください。さらに医師になってからはよほどのことがない限りは医師免許ははく奪されません。

医師国家試験まで筆記試験のみで評価されます。つまり医師になるまで、さらにはなった後も医療技術は全く評価されないのです。その後の専門医試験ですら、医療の質というよりも試験やレポートで評価されることがほとんどです。

これって他の業界だとあり得ないと思います。

どれも普通はクビになるかと思います。医療の世界は基本的にクビができない世界です。総合病院は色々な医師がいるため、そういった医療技術がない医師がいてもカバーされますが、クリニックは医師の実力がそのまま出ます。

そのためクリニックは、総合病院に比べると実力も千差万別です。さらに、考え方も医師によって全く違います。

といった考え方の医師もいれば、

などといった考え方でクリニックをやっている医師も数多くいます。コンビニエンスの倍近くあるクリニックは、良いクリニックもあれば悪いクリニックも残念ながらあると言わざるとえません。

さらに悪いクリニックでも潰れることは少ないため、日本の医療は混沌とした状態になっています。

 

4.クリニックを受診するにあたっての選び方

4-1.あなたに合うクリニックを探す方法は?

1つのクリニックが悪いからといって全てのクリニックをぜひ否定しないでください。きっとあなたにとって最適なクリニックがあるはずです。

ここまで読んでみて、「やっぱりクリニックはダメじゃないか」と感じてしまう人もいらっしゃるかもしれません。しかし全てのクリニックがダメなわけではありません。

むしろクリニックに対して負の感情がある人は、こういった良くないクリニックを受診してしまったパターンがほとんどです。総合病院に勤めていると、患者さんが不満や不安を感じるクリニックは大体決まってます。

患者さんへの医療行為をみれば、「○○クリニックと△△クリニックはやばいな」というのは正直わかっています。

しかし医師から、「○○クリニックや△△クリニックは危ないからやめておきなさい」とは絶対に言えません。一方で「◇◇クリニックや■■クリニックは良い先生がいるから、ぜひ行ってみてはどうでしょうか?」と良いと思うクリニックを紹介することはできます。

今までかかったクリニックに不満を感じた方は、総合病院の先生にお勧めのクリニックを聞いてみるのも一つ良い方法です。しかしこの方法は、すでにクリニックから総合病院に紹介になった人にしかできません。誰しもが最初から痛い目にはあいたくないですよね?実は受診する前に、ある程度クリニックを見分けるポイントがあります。

詳しく知りたい方は「ホームページから良い内科クリニックかどうか見分ける方法」を一読してみてください。

特に最初に書いたように、イタリア料理や中国料理を専門にしているところが、安易にラーメン屋に手を出すようなところはかなり要注意です。

 

4-2.クリニックを受診するメリットは?

<メリット>

クリニックに抵抗感を感じる人の中には、総合病院でそのまま通院していればいいじゃないかと感じる人も多いと思います。

しかし軽症であれば、総合病院よりもクリニックの方がメリットが多いです。まず第一に、クリニックは外来に特化しているため患者さんの都合を合わせやすいです。一方で総合病院は、大体何曜日の何時から何時までと決まっていることがほとんどです。

さらに総合病院は、それぞれの専門科で診ることがほとんどです。特化している科に診てもらうと安心感があります。しかし軽症例であれば、専門科で診なくても変わりません。どの疾患もガイドラインに従って治療するため、まじめに医療をしているクリニックでは大きな差がありません。専門的な治療が必要な場合は、ガイドラインの治療だけではよくならない重症例になります。

もしも複数の病気がある場合は、それらを別々の科で管理するのは非効率なうえに事故のもとにもなります。お互いの科が何をしているか見えづらいため、一緒に飲んではいけない薬がごっちゃになったり、同じ検査を何回も受けたりします。お薬の量も多剤になりがちで、受診回数も複数になってしまいます。

また風邪などの一般的な病気では、クリニックの方が素早く対応できることが多いです。総合病院は、クリニックからの紹介患者さんの対応が主です。重症例や難治性の病気の患者さんに重きを置きます。

癌の患者さんと風邪の患者さんがいたらあなたが医者だったらどちらを先にみますか?またどちらに時間をかけますか?ほぼ癌と答えると思います。

一方で風邪の患者さんは、隣に座ってる患者さんが癌だとしても分からないでしょう。自分の方が先に来たのに隣の人が先に呼ばれるということは、総合病院では日常茶飯事です。

このように、総合病院の方が良いわけではありません。詳しく知りたい方は「クリニックの役割とは?まずはクリニックを受診した方が良い理由」を参考にしてみてください。

 

まとめ

ここのページで伝えたかったことはクリニックの中にはどうしても質の低い医療を提供する医療機関もありますが、その一つのクリニックを受診しただけで全てのクリニックをぜひ否定しないでほしいということです。

コンビニの倍以上のクリニックが日本にはあります。そうなると、どの地域にも当たりと外れのクリニックがどうしても存在してしまいます。

ですが必ず、あなたの力になってくれるクリニックが存在します。ぜひこのサイトも参考にして自分に合ったクリニックを見つけてみてください。