性格傾向とパーソナリティ障害はどのような関係があるか

アイコン 2016.3.30 パーソナリティ障害とは?

人は誰しも性格傾向があります。そのなかで社会生活を送っていて、性格がいかされることもあれば足を引っ張ることもあります。

そんな性格傾向も、極端になり過ぎてしまうとパーソナリティ障害という病気として、治療の対象になってしまいます。

性格傾向とパーソナリティ障害にはどのような差があるのでしょうか?また、誰しもがもっている性格傾向とはどのような関係があるのでしょうか?

ここでは、正常な性格傾向とパーソナリティ障害の関係について考えていきたいと思います。ちょっと難しくなりますが、私自身の勉強もかねて整理したいと思います。

 

1.パーソナリティ障害と性格傾向の関係とは?

パーソナリティ障害は、性格傾向とは連続性があります。最近の流れとしては、パーソナリティ障害を性格傾向の強さによって全体的に評価する方向にあります。

パーソナリティ(=性格)とは、その人独自の考え、感情、行動のあり方のことです。性格は、もともと生まれもっての気質に加えて、その後の人生の中での様々な経験を経て形成されていきます。

性格は人それぞれで、どんな人にも性格傾向はあります。そのような性格傾向はパーソナリティ特性といったりします。パーソナリティ特性は、普通の人の行動パターンなどから研究が勧められていきました。切り口を変えると様々なパーソナリティの評価の仕方があるので、様々な検査や考え方があります。

それに対してパーソナリティ障害は、極端なパーソナリティ傾向がある人の問題行動を集めることから始まっています。そこから個々のパーソナリティ障害として病気の概念が作られていきました。

性格傾向とパーソナリティ障害は全く別物なのかというと、そんなことはありません。パーソナリティ障害とまでは診断されないまでも、その特性が強い方もいらっしゃいます。性格傾向とパーソナリティ障害は起源が異なるのですが、その間は連続性があるはずなのです。

さらにパーソナリティ障害の患者さんは、ひとつのパーソナリティ障害の概念を超えて様々な要素があります。2つの概念にオーバラップするようなケースも多いのです。

このような現状をうけて、パーソナリティ障害の診断はディメンション(次元的)モデルという方法も検討されています。いくつかのパーソナリティ特性(性格傾向)の強さによって、その人のパーソナリティをみていこうとするモデルです。

 

2.パーソナリティ特性(性格傾向)の5因子モデル

神経質・外向性・誠実性・同調性・経験に開かれた姿勢の5因子から、性格傾向を分析します。

障害とまではいかないけれども、その人のパーソナリティを把握しながら治療をすすめていくことは重要です。現在の流れとして、いくつかの性格傾向の強さを評価する流れになっています。

パーソナリティ特性として代表的なモデルとして、5因子モデルがあるのでご紹介します。

これらの5つの因子は一般的な性格傾向になりますが、それぞれ6つの具体的なパーソナリティ特性に分けられています。

これらの具体的な特徴に基づいて、5つのパーソナリティ特性を評価していきます。この5因子モデルでの性格傾向の評価は、様々の研究によって妥当性が示されています。

 

3.パーソナリティ障害と関連が深い5因子とは?

神経質・外向性・誠実性・同調性・精神病性の5因子で、パーソナリティ障害の特徴を表現することができます。

パーソナリティ障害は質的に明らかに違うほどの性格傾向の偏りなのですが、それは通常の性格傾向とはどのような関係があるのかを見ていきましょう。

先ほどの5因子モデルの中で、「神経質」「外向性」「同調性」「誠実さ」はパーソナリティ障害との関連性が強いです。「経験的に開かれた姿勢」は、パーソナリティ障害には関連性が低いものになります。

この4因子では、統合失調型パーソナリティ障害のような認知や知覚が異質な傾向は拾えないので、精神病性という要素を加えて5因子でみていくのが妥当と考えられています。

これらの5つの要素でパーソナリティ障害を捉えていきます。代表的なパーソナリティ障害で、具体的にどのよう素が強いのかをみてみましょう。

このようにして、パーソナリティの特性からパーソナリティ障害を表現することができます。

 

まとめ

このように、性格傾向とパーソナリティ障害には連続性があります。

最近のパーソナリティ障害の診断では、5つの性格傾向(パーソナリティ特性)から総合的に判断する流れになっています。

このようにすることで、それぞれのパーソナリティ障害として固まった概念のグレーゾーンをいくものや、障害とまではいかなくても傾向がある方を評価することができます。