集団ストーカーの被害に悩まされている人へ伝えたいこと

アイコン 2016.7.6 統合失調症

もしかして集団ストーカーの被害者かもしれない…このように思われた方は、人には理解してもらえない悩みを抱えている方が多いかと思います。

「色々な人から自分は嫌がらせを受けている」
「自宅が盗聴されている」
「電磁波で嫌がらせをされる」
「自分の考えていることが筒抜けになっている」

内容は様々ですが、誰かから嫌がらせをされていると感じているかと思います。「黒幕をつきつめたい」「何とか集団ストーカーを証明したい」と思われている方も少なくないでしょう。

インターネットで検索すると探偵会社や調査会社などがわんさか出てきますし、広告もたくさん出ています。このようなところに依頼する前に、少し立ち止まって見てください。

本当に集団ストーカーの被害にあっている方がいないとは断言できません。しかしながら多くの場合、妄想や幻聴に左右されてしまっている可能性があるのです。自分が作り上げている幻であることがあるのです。

そういわれても、にわかに信じられないのは当然です。ですが探偵や調査会社に依頼するとお金がたくさんかかります。その前に、自分自身で振り返ってみましょう。

ここでは、集団ストーカーの被害をうけているかもしれないと悩まれている方の目線に立ってお伝えしていきたいと思います。

 

1.集団ストーカー被害の2つの可能性

実際に集団ストーカー被害にあっている場合と、幻覚妄想といった病気の症状である可能性の2つがあります。

誰かから集団ストーカーを受けている…その恐怖は計り知れないと思います。誰に相談しても理解してくれない、ですが確実に誰かが自分に対する嫌がらせをしてくる…そのような状況では、何を信じていいかわからなくなると思います。

そんな患者さんに訴えかけるように、インターネットでは探偵会社や調査会社の広告がたくさんあります。依頼すると結構な金額がかかってしまいますので、その前に集団ストーカーについて振り返ってみましょう。

集団ストーカーには2つの可能性があります。

1つ目は、あなたが想像している通りの集団ストーカーです。ガスライティングといったりするようですが、あなたの知っている誰かや関係している組織から、何らかの理由があって実際に嫌がらせの被害を受けている場合です。

2つ目は、あなたの心の中が作りだしている幻です。信じられないのは無理もありませんが、可能性として考えてほしいのです。病気によっては、現実にはないことを信じてしまったり、実際に声が聞こえたり、幻が見えたりすることがあるのです。

集団ストーカーの被害にあっていると思い込んでしまっている方は、2つ目の可能性も検討してみてください。もし幻であるならば、それは病気の症状です。妄想や幻覚といったりしますが、これらの症状はお薬によって抑えることができるのです。

もちろん、本当に集団ストーカーされているかもしれません。それは第三者が断定することはできないません。そして苦しんでいるのはあなたで、その苦しみは事実です。

ただ、病気だとしたら早く治療をした方がよいですし、そちらの方がお金もかかりません。ここでは、集団ストーカーの被害にあっているのか病気の症状なのか、両方の可能性について、あなたの立場にたって考えていきたいと思います。

 

2.集団ストーカーを信頼できる人に相談してみよう

血縁関係のある信頼できる人は、あなたのことを決して裏切りません。行動を起こす前に相談してみましょう。

あなたは集団ストーカーされていると怯えているかもしれません。周りの人が誰も信じられなくなってしまうかもしれません。周りのみんなが自分をおとしめようとしている状況では、疑心暗鬼になってしまうのも無理はありません。

あなたが心から信頼できる人はいませんか?両親や兄弟、子供や親せきなど、自分の身内はあなたのことを裏切らない人もいるかと思います。

なかには「誰も信じてはいけない」とささやく人もいるかもしれません。そのようにホームページで書いている業者もいます。あなたが信頼できる身内は、あなたのことを裏切りません。血は水よりも濃し、血縁関係はなによりも強固な人間関係です。

集団ストーカーされているという事実を伝えましょう。具体的にどのような被害にあっているのか、包み隠さず伝えてください。

集団ストーカーによる被害の証拠があるなら、それを見せましょう。その上で、信頼できる人に意見を聞いてみましょう。現実で起こっていることなのか、それとも幻の出来事なのかは、他の人がみればある程度判断できます。

相談しても、あなたを裏切って集団ストーカーに加担することは決してありません。安心してください。

 

3.集団ストーカー被害に本当にあっているときは?

証拠は、自分がみつけられるものだけで十分です。本当に被害にあっている時は、信頼できる人と相談して判断していきましょう。現代では、正常な人が精神病院にとじこめられるようなことは、まず起こりません。病院も介入すれば、警察もしっかり動きます。

それでは、集団ストーカーの被害に本当に合っているケースを考えていきましょう。

本当に集団ストーカーの被害にあっているのなら、まずは自分で証拠をみつけましょう。嫌がらせをされている状況を、ビデオで撮影できたら確実でしょう。

ですがそれ以上踏み込んで、探偵会社や調査会社にまで頼んで行う必要はありません。自分のできる範囲で大丈夫です。それをもって信頼できる人に相談し、その人が病院で精神科医に診てもらった方がよいと判断したら、病院で相談してください。

精神科では、現実的に集団ストーカーの被害をうけている事実の可能性があれば、無理に妄想とは判断しません。過去に私も1例だけ、統合失調症と診断されたけれども本当に集団ストーカーにあっていたケースを経験しています。

その患者さんは妄想に左右されて興奮し、ゴミ袋を隣人宅に投げ込んだとして措置入院となりました。興奮していたこともあり患者さんの言動はまとまらず、統合失調症による被害妄想と関係妄想と、指導医と一緒に判断しました。

入院してから患者さんの話を聞いていくと、隣人から以下のような嫌がらせをされていると訴えていました。

その内容がかなり具体的で、妄想とまでは言い切れない印象もうけました。そして何より、薬の反応がしっくりきませんでした。

患者さんはこだわりがとても強く、生い立ちを聞いていくと発達障害の可能性も考えられました。隣人の嫌がらせに関して、癇癪を起してしまった可能性も否定はできなかったのです。

患者さんは一人暮らしだったので、念のため家族を呼んで自宅の状況を確認してもらいました。自宅で荷物の片づけをしていると、いたずら電話が頻回にかかってきました。決定的だったのは、「おまえは精神疾患で入院しろ」という怪文書が発見されたのです。

この患者さんは、発達障害というベースがあったために事実を冷静に対処できず、被害的な考えが発展して周りのことを関係づけてしまいました。それがあたかも、妄想(事実ではない思い込み)と捉えてしまったのです。

後ほどお話していきますが、正常なのに精神病院に閉じ込められるということは、現代ではまず起こりません。仮に入院したとしても、今回の患者さんのように入院してからは何事もなく落ちつくので、退院も長引きません。

言い分けのようにはなってしまいますが、興奮を落ちつけるためにお薬は必要で、この患者さんは発達障害として継続的に治療が必要でした。普通の人では、事実と妄想を取り違えられることはまずありません。

この患者さんでは病院からも警察に対する口添えをしました。このように、病院でしっかりと判断されていれば、被害届が無視されることは絶対にありません。

 

4.集団ストーカー被害が幻のときとは?

幻覚や妄想であることがあります。どちらもお薬を使うことによって落ちついていきます。見方を変えれば、お薬の反応をみて集団ストーカーかどうかの判断もできます。

集団ストーカーの被害が幻であることもあります。幻といっても、あなたにとっては事実以外の何ものではありません。実際に見たり聴いたりしていることですので、疑うことのない現実かと思います。

ですが、脳が作りだしている幻ということがあります。それが妄想であったり、幻聴や幻視です。妄想とは、事実ではないことを思い込んで確信してしまうことです。幻聴や幻視はその言葉の通り、本当はないはずのものが聴こえたり見えたりすることです。

脳の中脳辺縁系と呼ばれている部分で、ドパミンが過剰に分泌されることで生じる症状と考えられています。このため、抗精神病薬とよばれるドパミンをブロックするお薬を使えば、症状は落ちついていきます。

その原因として多いのが、統合失調症や妄想性障害です。それ以外にも、気分の波によって幻聴や妄想が出現することもあります。脳の障害や薬物によっても、生じることがあります。

いずれにしても、お薬を使うことで症状がコントロールできるようになります。幻聴や妄想が落ちつくと、次第に現実に向き合えるようになっていきます。完全に症状をとりきれないこともありますが、少なくとも改善していきます。

ですから病院に受診して、ちゃんと治療をうけるようにしましょう。これらの病気は、現在はお薬を使うことでコントロールすることができます。しっかりと治療を継続していくことで、再発せずに変わりない日常をおくれる方も多いです。

 

5.集団ストーカー被害を相談したら精神疾患にされる?

病院側には精神疾患にするメリットがないですし、退院請求などの患者さんの権利もあります。薬の反応からも、集団ストーカー被害者なのか精神疾患なのかも判断できます。

集団ストーカーの被害をうけている患者さんは、

「精神科に相談したら精神病患者にされて病院に一生閉じ込められてしまう」
「いくら話をしても医者には信じてもらえず、薬漬けにされてしまう」

といった誤解をされている方もいらっしゃいます。このため、恥をさらすようですが初診時に判断ミスをした例をあげさせていただきました。

病院が黒幕とグルになることは絶対にありません。現在の診療報酬制度では、病院は早く退院させた方が儲かるので、メリットは全くありません。精神科病院は患者さんの入院期間が長いので、多くの病院でベッドがいっぱいです。

もし精神疾患と誤解されて入院となってしまっても、早くよくなって退院できるようになります。それに薬の反応からもわかります。薬によって鎮静がかかりすぎてしまうこともあれば、幻聴や妄想と思っていた症状がまったく改善しません。

また、精神科の入院では、患者さんの人権を守るために退院請求という制度もあります。どうしても入院を納得できない場合、公的機関に診察を申請することができる制度です。第三者の精神科医2名による診察を受けることができます。

最後に、集団ストーカーを相談された方がどうすればよいのかについてお伝えしていきたいと思います。相談された方の原則は、「否定しない」ことになります。たとえ現実的にあり得ないと感じても、本人は事実だと確信しています。

それを説得して覆すことはできません。天動説が信じられていた時代に、地動説を唱えたガリレオは異端裁判にかけられました。あなたが見聞きしていることが、すべて幻といわれたら信じることができませんよね。

明らかに病的かどうかは、その内容を聞けばおおよそ分かるかと思います。病気ということを本人が理解できなそうでしたら、まずはご家族が病院に相談してみてください。

 

まとめ

正直にお話をすれば、集団ストーカーで悩まれている方のほとんどは精神疾患が原因です。私もいろいろな患者さんをみてきましたが、本当に集団ストーカーの被害にあっていたのは1例だけです。

いろいろな状況が重なって妄想と誤解されていましたが、正常な人が取り違えられることはまずありません。かりに取り違えられたとしても、症状はすぐに落ちつくので退院は長引きません。

多くの探偵会社や調査会社は、ろくに調べもせず、調べても型どおりのことだけをして高額の費用を請求します。

病院では保険がききますので、そんなにお金もかからないで済みます。信頼できる人に相談して、困ったら病院に相談してください。