統合失調症は完治する病気なのか

アイコン 2015.4.6 統合失調症

よく患者さんから、「いつになったら薬をやめられますか?」「どうすれば完治といえますか?」などと質問されることがあります。

ですが、統合失調症は原因がわかっていない病気です。脳の機能的な異常は認められており、薬によって調整していかなければいけません。このため、お薬は中止することはできないのが実情です。

統合失調症は、お薬を中止してしまうとすぐに症状が再発してしまいます。再発している患者さんの多くは、お薬の服薬がおろそかになったことが原因です。

ここでは、統合失調症は完治するのか?ということをテーマに考えていきたいと思います。

 

1.統合失調症治療のゴールとは?

統合失調症は薬のサポートを受けながら、普通に生活できるようになることがゴールです。

統合失調症は、根本的な治療というのはまだわかっていない病気です。ですから、薬を飲んで症状を和らげ、様子を見ながら病気と長期間付き合っていくことが必要です。

病状が改善してきたからといって服用を中断してしまうと、根本のところが治っていないので再発のリスクが高まります。治療の途中で服薬を止めてしまうと、それから1年以内に約70%の確率で再発するといわれています。

薬物療法を続けるとこの数字は約30%にまで下がり、さらに心理療法と組み合わせて治療することで、さらに再発リスクを減らすことができます。

薬の効果で、統合失調症の症状は確実に改善していきます。薬を飲みながら普通に生活できるようになる方は、たくさんいらっしゃいます。これが統合失調症治療のゴールと考えてください。

薬を長期で服用することに怖さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。しっかりと副作用をチェックしながら薬を調整すれば問題ないので、心配しないでください。

 

2.統合失調症では薬は減らせないのか?

症状が安定してから、少しずつ減量を進めていきます。強い希望がある時は、条件を満たしていれば中止を検討します。

症状が急性期をすぎて症状がおちついてくると、副作用を軽減させる目的もかねて減薬していくこともあります。ただし薬をすべて中止することはありません。

大切なことなので何度もいいますが、薬の中断は再発率を高めるのです。一般的には、急性期を過ぎたと認められたのち半年以上は様子を見て、完全に症状が安定してから徐々に減薬していきます。

患者さんからのあまりに強い希望がある場合には、以下のような条件付きで服薬の中止することもあります。

再発が二回目以降の場合、薬を中止するのは難しいです。また薬を使わなくなっても、定期的な通院治療は引き続き行っていただきます。

 

3.統合失調症は完治できるのか?

統合失調症の予後がよい条件は、「発症するのが遅い・もともと備わっている社会適応力が高い・早期に治療ができる・急激な発症・緊張型>妄想型>破瓜型」です。そして加齢が有利に働きます。

治療薬についての研究が進み、医師の指示に従ってきちんと服用を続けていくことで元の生活を送れるようになるケースも増えてきています。

統合失調症のいろいろな患者さんを30年追跡調査した研究報告によると、およそ7割の患者さんが「充実した生活」を送れるようになったそうです。

統合失調症の予後に関して特徴的なのは、年をとってから発症した場合の方が比較的予後が良好だという点です。年齢を重ねる中で身につけてきた社会能力の基盤があるために、機能も失われずに回復も早いことが多いです。

また、早期発見・早期治療であれば予後もそれほど悪くはなりません。統合失調症は、症状が徐々に現れる場合と、前兆もほとんどなく急に症状が現れる場合があります。後者のほうが回復するのも早いです。

タイプ別に見てみると、比較的早いうちに発症する解体型が最も予後が悪いです。症状が激しい緊張型は比較的予後がよく、薬がよく効きます。妄想型はその中間で、予後はさまざまです。

また、統合失調症は他の病気と異なって、加齢が有利に働く病気です。時間の経過とともに少しずつ症状が改善していくことがあります。このことを晩期寛解といいます。

 

まとめ

統合失調症治療のゴールとは、統合失調症は薬のサポートを受けながら、普通に生活できるようになることがゴールです。

薬は症状が安定してから、少しずつ減量を進めていきます。強い要望がある時は、条件を満たしていれば中止を検討します。

統合失調症の予後がよい条件は、「発症するのが遅い・もともと備わっている社会適応力が高い・早期に治療ができる・急激な発症・緊張型>妄想型>破瓜型」です。加齢が有利に働き、年をとるにつれて症状が和らぐことが多いです。

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