潔癖症(不潔恐怖症)で病院にいくべきか、診断基準からセルフチェック!

アイコン 2016.5.21 強迫性障害

潔癖症といわれると、どのような方をイメージされますでしょうか?

しょっちゅうお掃除をしている人を思い浮かべる方もいれば、手が真っ赤になるほどに何度も手洗いをしている人を思い浮かべる方もいると思います。

潔癖症は正式な病名ではなく、人によってそのイメージも様々です。キレイ好きレベルの方から病的なレベルの方まで非常に幅があります。

「私は潔癖症かもしれない」と感じている方の中には、病院で相談した方がよいのか悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。潔癖症も行き過ぎると、強迫性障害と診断されることがあります。

不潔恐怖症ともよばれたりしますが、「自分が汚れているかもしれない」という強迫観念にとらわれて、繰り返し洗浄行為をしてしまう強迫行為がみられます。このような方は、病院で治療が必要になります。

ここでは強迫性障害の診断基準をもとに、潔癖症で病院にいくべきかをセルフチェックしてみましょう。

 

1.潔癖症のチェック①-病気と考えて治療すべきか

潔癖症を病気と考えて治療していくべき時とは、繰り返しの行為に多大な時間をとられ、本人がつらかったり、生活上の大きな支障がみられるケースです。

潔癖症はそれが病的なレベルまでに至ると、強迫性障害と診断されることが多いです。

「自分が汚れているかもしれない」という汚染恐怖・不潔恐怖にとりつかれてしまい、「汚れを取り除かなければ」と洗浄行為をおこなってしまいます。このように強迫観念(汚染恐怖・不潔恐怖)にとらわれて強迫行為(洗浄行為)をおこなってしまう病気を、強迫性障害といいます。

潔癖症というと、様々なレベルの方がいます。潔癖症か気になったら病院で相談するべきかというと、必ずしもそんなことはありません。

几帳面で細かく、キッチリしていることは決して悪いことではありません。キレイ好きで常にマメに掃除をしている人は、多くの人が好ましいと感じると思います。少なくても汚いよりはいいですよね。

潔癖症というと悪いイメージがつきまとうかもしれませんが、むしろ美徳として発揮されていることも多いのです。潔癖症かもしれないと感じる方は、どこか行き過ぎていると心当たりがある方が多いのだと思います。

それでは、どこからが病的な潔癖症と考えるべきでしょうか。その正常と異常の線引きはとてもあいまいです。

潔癖症を病気として考えていくべきかを、強迫性障害の診断基準をもとにチェックしてみましょう。この診断基準での正常と病気の境目は、以下の3つになります。

このことは診断基準には、以下のように明記されています。

旦那さんのことを汚い生き物と感じている奥さんを考えてみましょう。旦那が座ったところはすぐに掃除をしたくなってしまうかもしれません。ですが、同じところを何度も何度も掃除するわけではなく、本人はイライラするけれども苦痛は感じず、そして夫婦生活が破綻しなければ病気とはいえないのです。

 

2.潔癖症のチェック②-強迫症状があるか

潔癖症として、強迫観念や強迫行為の傾向が認められるかをみていきましょう。認められた場合は、生活の中で暴露反応妨害法を意識してみてもよいかも知れません。

潔癖症を治療するべきかどうかは、苦しみの大きさと生活への支障で考えていきます。ですが潔癖症の方の中には、強迫性障害の要素が強い方もいらっしゃいます。

強迫性障害と診断するほどには病状がひどくないけれども、悪化すると強迫性障害に発展しそうな方もいらっしゃいます。潔癖症かもしれないと心配されている方は、強迫性障害の中核症状である強迫観念や強迫行為が存在していないかをチェックした方がよいです。

典型的な強迫性障害では、強迫観念によって不安が高まって、それを打ち消すために強迫行為を行ってしまいます。

潔癖症と感じている方は、「自分は汚れてしまったかもしれない」という過剰な心配にとらわれていませんか?添加物や洗剤といった日常品、アスベストや放射線の脅威、汚れやばい菌などに対して、過剰なまでの恐怖心がありませんか?

このような恐怖心がある方は、強迫観念の傾向があるかもしれません。

不安や不快感を感じた時に、それを無くすために洗浄したりすることはありませんか?一度手洗いをしてもきれいになった気がしなかったり、何度もアルコール消毒をしてしまったりしませんか?

このような強迫観念や強迫行為がある方は、どんどんと大きくなっていく前に治療的なアプローチをしてみてもよいかもしれません。薬を使うほどでもなければ、暴露反応妨害法を意識して生活に取り入れてみましょう。

詳しく知りたい方は、「暴露療法(エクスポージャー)とはどういう治療法なのか」をお読みください。

上手く自分でできなかったり、症状が悪化していく場合は、早めに病院に受診するようにしましょう。

 

3.潔癖症のチェック③-不合理性の認識があるか

潔癖症の方で、自分の洗浄行為に「バカバカしい」「過剰だ」という認識がある方は強迫性障害の可能性があります。

潔癖症の方で、自分の洗浄行為に対して不合理だと感じている方は、強迫性障害に発展していく可能性があります。そのような方は、「バカバカしい」「過剰だ」という認識をしているのに止められないということになります。

強迫症状としての要素が少ない方では、自分自身の潔癖症による行為について違和感がありません。掃除や洗浄をごく普通のこととして行っています。このような方は病気というよりは、キレイに過ごしたいという価値観であることが多いです。

自分の考えや行動が不合理と感じることは、不潔恐怖や汚染恐怖による強迫症状の大きな特徴です。ですから「私は潔癖症かもしれない」と心配されている方は、自分自身がバカバカしいと思うかどうかを考えてみて下さい。

もし周りから潔癖症と言われただけであったら、キレイ好きというレベルであることが多いです。自分自身でも行き過ぎているかもしれないと感じている方は、強迫症状としての要素も考えていく必要があります。

 

4.潔癖症を心理検査からセルフチェック

潔癖症を病気と考えて治療をしていくかどうかは、強迫性障害かどうかになります。

強迫性障害と診断されるレベルでしたらしっかりと病院で治療するべきですし、多少の強迫的な傾向があるならば日常生活で行動療法的な意識をしてみてもよいかもしれません。

強迫性障害の症状を客観的に評価するための心理検査として、様々な種類のものが開発されています。その中でも2つの有名な検査と、不安の程度を数値化する検査をご紹介したいと思います。

 

4-1.Y-BOCS(エール・ブラウン強迫観念・強迫行為尺度)

強迫性症状を網羅的にチェックして、それをもとに症状の程度を評価して重症度を求められる検査です。

Y-BOCS(Yale-Brown Obsessive-Conpulsive Scale)は、強迫性障害の症状を重症度を評価する検査として最もよく使われる心理検査です。

まずはどのような強迫症状があるのか、網羅的に確認していきます。強迫観念と強迫行為に分けて、あわせて50以上の症状を確認していきます。このうちで、潔癖症に関わる部分をとりあげてたものが以下になります。

  • 汚染に関する強迫観念
  • 掃除と洗浄に関する強迫行為

実際のY-BOCSでは、網羅的に症状を洗い出していきます。それを踏まえて、強迫観念と強迫症状にわけて重症度を0~4点で評価していきます。合計点数によって、強迫性障害の重症度を評価します。

実際にY-BOCSを行ってみたい方は、「強迫性障害の重症度をY-BOCSでセルフチェックしてみよう」をご覧ください。

 

4-2.MOCI(モーズレイ強迫神経症質問紙)

強迫性障害のスクリーニングのために作られた検査です。古いため少し現在の考え方とずれがありますが、強迫性障害のタイプも把握できる心理検査です。

MOCI(Maudsley Obsessional-Conpulsive Inbentory)は、古くから使われている強迫性障害の心理検査です。

Y-BOCSとは異なり、患者さん自身に記入していただく心理検査になります。30項目の質問に対して、「はい」か「いいえ」の2択で答えていきます。

まさにセルフチェックのために開発された心理検査ですのでとても有用なのですが、かなり昔に開発されたために現在の強迫性障害の考え方からは少しずれてしまいます。

ですが強迫性障害のスクリーニングとしては、現在でも使われることのある心理検査です。

実際にMOCIを行ってみたい方は、「強迫性障害のタイプをMOCIでセルフチェックしてみよう」をご覧ください。

 

4-3.STAI(状態-特性不安検査)

不安へのなりやすさと現在の不安を点数化する心理検査です。

STAIは強迫性障害に限った検査ではありませんが、不安の程度を評価するのによく使われている心理検査です。

不安を、特性不安と状態不安に分けてみていきます。特性不安とは、もともとの不安へのなりやすさが反映されます。状態不安とは、現在感じている不安の強さが反映されます。

それぞれ20項目の合計40項目に対して、4段階で自分にあてはまる状態を選んでいきます。全部で80点満点で評価し、男性と女性では評価基準が多少異なります。

実際にSTAIを行ってみたい方は、「不安障害や神経症をSTAI(状態-特性不安検査)でチェック」をご覧ください。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

潔癖症の方の中には、強迫性障害として治療をしていった方がよい方もいらっしゃいます。ここでは、病院で治療をおこなっていくべきかどうかを意識してセルフチェックしていきました。

強迫性障害とまでいかなくても、強迫傾向がある方はいらっしゃいます。そのことを正しく認識し、症状が悪くなったときにはすぐに受診するようにしてくださいね。