適応障害での休職から復職を目指す5つのポイント

アイコン 2016.10.16 適応障害・ストレス性障害
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仕事を心から楽しくやれる時もありますが、何らかの不満をかかえて仕事を続けていることも少なくはないかと思います。

ですがどうしても合わずに折り合いがつかないと、それがストレスになって心身の症状として出てきてしまいます。それが適応障害です。

適応障害は誰にでもなりうる病気になります。本人と環境の間にギャップがあることが原因ですが、本人だけのせいでも、環境だけのせいでもありません。

心身の状態や職場状況によっては、休職をして環境から離れることが望ましいこともあります。休職することで適応障害の症状はよくなることが多いです。すんなり復職できることもあれば、復職で苦労することもあります。

ここでは、適応障害で休職されている方が復職を目指す際の5つのポイントを見ていきたいと思います。

 

1.適応障害は休職しただけでは治らない

適応障害は自分の要因にも目を向け、適応のあり方にも目を向ける必要があります。また、これからの仕事や価値観の整理をすることも大切です。

適応障害は、職場の環境と本人の価値観が折り合いがつかないために生じる病気です。明確なストレスに対しての心理的な反応による症状(心因性)のため、原因がなくなれば症状は落ち着いていくのが一般的です。

ですから、休職して職場環境から離れれば症状は改善していくことが多いです。ですが適応障害は、休んで症状が良くなれば治るかというと、そんなことはありません。一時的に良くなって復職しても、何かのきっかけでまた心身の調子を崩し、再休職になってしまうこともあります。

これには大きく2つの原因があります。

適応障害になってしまった原因は、環境だけではありません。程度の違いは人によってもありますが、自分自身にも目を向けていく必要があります。

自己嫌悪になる人は、自省されるかと思います。どちらかというと環境のせいと考えがちな人ほど、意識的に自分自身も振り返っていく必要があります。

もうひとつの要因としては、休職したキャリアという現実を復職した後に気づかされることです。

これまで順風満帆な人生を歩んできた人ほど、休職を挫折と捉えてしまいます。その価値観を整理しておかないと、復職して現実に直面したときに気持ちの折り合いがつかなくなります。本人のこれまでの価値観と現実という環境の間のズレが、新たな適応障害を引き起こしてしまいます。

このように適応障害は、休職するだけでは本質的によくなりません。

これをきっちりと意識的に行わなければ、復職しても再休職してしまう可能性が高くなってしまいます。このことを踏まえて、復職に向けて意識することをお伝えしていきたいと思います。

 

2.適応障害で休職した直後の過ごし方

まずはゆっくりと休みましょう。心身の症状が落ち着くことを待ちましょう。

適応障害では、仕事を休職したときにどのように過ごせばよいのでしょうか。適応障害は、患者さんによっても原因も症状も異なります。ですから患者さんによっても異なりますが、一般的にどのように休職中に過ごせばよいのかをみていきましょう。

休職をしたら、まずは仕事のことを考えずにゆっくり休むことが大切です。「仕事にどうしたら戻れるのか?」「自分のどこが悪かったのだろう?」といったことは考えない方が良いです。

まずは仕事のことは考えないようにして、ゆっくりと休みましょう。ゴロゴロするでもよいし、趣味をするのでもよいです。自分自身の気持ちが落ち着くことをして過ごしましょう。

誰しも気持ちが塞いでいるときは、世界が暗くみえて悲観的になります。反対に気持ちが高まっているときは、世界が明るく見えて楽観的になります。

適応障害で休職した直後は、気持ちが塞いで悲観的になっていることがほとんどです。このため、「もう会社は辞めなければならない」「これから先がみえない」などといった気持ちが湧き上がってくるのは当然です。

このように不安定な状態では、先のことを考えても悲観的な考えがめぐってしまいます。このように思考が悪循環になってしまうので、考えない方が良いのです。まずは心身を休め、冷静に判断できるように落ち着きを取り戻すことが大切です。

 

3.適応障害からの復職のポイント①-生活習慣を整える

生活習慣は「習慣」ですから、一度身に着けたら続けることができます。心身が不調になりにくい土台をつくるためにも、生活習慣を意識していきましょう。

適応障害では、休職して職場環境から離れることで症状は比較的早く良くなっていきます。

少しずつ回復してきたら、生活習慣を整えることから意識していきましょう。適応障害の症状がそこまでひどくない方は、最初から生活習慣を意識しながら休養したほうが良いこともあります。

生活習慣を休職中から整えることは、長い目で見て心身の不調を生じない土台になります。「習慣」ですから、一度身に着ければ続けていくことができます。規則正しい生活習慣をすることで心身の疲労が回復できますので、不調は起こしにくくなります。

生活習慣を整える上で、以下の3つを意識していきましょう。

起床時間の具体的な整え方については、「朝起きれない人の原因とは?生活リズムを改善する12の対策」をお読みください。

食事は内容というよりは、3食きっちりと規則正しくとることが大切です。食事に関して詳しく知りたい方は、詳しく知りたい方は、「うつ病に効く食べ物とは?うつ病に有効な食事と栄養」をお読みください。

運動をすることは、心と体の両面にいい影響があります。気持ちの変化にもつながりますし、脳の機能的にもよい方向の変化があります。

 

4.適応障害からの復職のポイント②-自分自身の問題点を振り返る

適応障害は、環境だけのせいではありません。自分自身も見つめなおし、課題をみつけましょう。

適応障害は、環境と本人の価値観のズレがストレス因となっていました。だからといって、すべてが「環境」のせいということはありません。程度の差はあれ、自分自身でも振り返るべき点はあります。

むしろ、休職という機会で自分自身を見つめ、成長の機会にするという心構えのほうがプラスになっていきます。落ち着いてきたら、自分自身について振り返っていきましょう。

自分の適応力をあげていくためには、様々な方法があります。まずは適応力の一つとして、ストレス耐性につながる3つの感覚をチェックしてみましよう。「SOC(首尾一貫性感覚)からストレス耐性をセルフチェック」でチェックしてみてください。

これらの感覚を意識して身につけていくことで、物事のとらえ方が柔軟になっていきます。また、マイナスに陥りがちな思考パターンがあれば、認知行動療法などによって自分の考え方を見つめていきます。

考え方を改善することは時間がかかりますので、休職中にすべてを改善する必要はありません。大切なのは、自分自身の等身大を正しく認識することです。そうすれば適応障害による休職は、自分を知る機会になります。

復職後も含めて、少しずつ自分ができることに取り組んでいきましょう。自分自身を知ることができれば、SOCでいうところの全体把握感や経験的処理感が高まります。

 

5.適応障害からの復職のポイント③-職場環境に対して考える

職場環境に関しては、どのような配慮を会社に求めていくのかを整理していきましょう。転職も一つの方法ですが、精神症状が落ち着いてから家族も含めて相談して決めていきましょう。

適応障害の原因となった環境についても、もちろん考えていく必要があります。復職するにあたって、どのような環境が望ましいのでしょうか。

多くの方は、復職することを前提にされているかと思います。会社としては、復職にあたっては元の部署に配属することを想定していることが一般的です。元の部署のほうが本人もわかっていますので、変化が少ないからです。

ですが明らかに環境が休職の原因となっている場合、復職部署は会社と相談することになります。自分が上手く適応していくためにどのような環境調整が望ましいのか、明確にしておくことは大切です。今後も見据えて、会社と相談していきましょう。

会社との相談は、自分ですべて行おうと思わなくても大丈夫です。職場の産業医に相談し、会社と調整してもらうこともできます。主治医と相談して、就労にあたっての意見を診断書で書いてもらうのも方法です。

このように復職を前提に考えてはいきますが、どうしても職場に適応できると思えないときは転職も選択肢にはなります。人生の大きな決断になりますので、精神状態が落ち着いているときに家族とよく相談していきましょう。

 

6.適応障害からの復職のポイント④-これからの人生を見つめる

「休職したキャリア」という現実を受け入れて前向きに仕事をしていくために、自分自身の価値観を整理することは大切です。

適応障害の患者さんは、休職することで症状は比較的すぐに良くなることが多いです。適応障害の症状がいったん良くなって復職しても、現実に直面して再び調子を崩してしまうことも少なくありません。

職場に戻ると、多くの場合は周りからは配慮されます。良くも悪くもですが、これまでと同じように変わりなく接してもらえる職場は多くはありません。改めて、自分が休職したという事実に気づかされます。

自分のこれからの人生について、どのように折り合いをつけて考えていけばよいのかは、いずれ考えていかなければいけない課題になります。ここから目をそらすと、職場でストレスがかかった時に適応障害を再発しやすくなってしまいます。

心の病気で休職をしたということは、決してマイナスばかりではありません。自分の生き方を見つめる機会にもなりますし、休職を経験した人にしかわからない目線になります。

自分の人生を諦めるというのではありません。人生を見つめて、自分の本当の価値観をみつけて、それを大事にした人生を歩んでいくことが大切かと思います。

 

7.適応障害からの復職のポイント⑤-相談できるようにする

適応障害で一番大切なのは、誰かに相談することです。心身の症状が認められば医療機関がよいですが、身近に相談できる人も作っておきましょう。

最後に、適応障害の再発を防ぐために最も大切なことをお伝えしていきたいと思います。

それは、相談できる人を見つけておくことです。

適応障害は、職場環境に対して本人が上手く適応できないことが原因でした。理解ある人と相談していくことで、現実的な適応の道が見つかったかもしれません。

人と話をするだけでスッキリするという経験をされたことがある方は少なくないかと思います。人に話をするということは、自分がモヤモヤ考えている悩みを形にするということです。形にするだけでも楽になります。

さらに相談することで、第三者からのアドバイスが自分に当てはまるかもしれません。職場の状況を知っている人であれば、理解ある人ができるだけでも安心ですね。

適応障害を繰り返さないために、復職する前に相談できる人を見つけておくのは有効です。会社の信頼できる上司ですとあなたの抱えている悩みを現場で理解できるので理想的ですが、友達や家族など職場外でもいいのです。

医療機関は、相談する一つの場所にもなります。心身の症状が出ていればそれを和らげる方法を提案することもできます。

適応障害を繰り返さずにスムーズに復職していくために、相談できる人を見つけるようにしてください。

 

まとめ

適応障害は自分の要因にも目を向け、適応のあり方にも目を向ける必要があります。また、これからの仕事や価値観の整理をすることも大切です。

休職直後はゆっくりと休みましょう。心身の症状が落ち着くことを待ちましょう。

その後は、復職をしてからも再休職しないために5つのポイントを大切にしましょう。