双極性障害(躁うつ病)でないことをBSDSでチェック

アイコン 2016.8.23 診断テスト・チェックリスト

双極性障害(躁うつ病)とは、躁状態とうつ状態の2つの気分の波で苦しむ病気です。

病院に受診するのはうつ状態の時がほとんどで、これをうつ病か双極性障害かを見極めるのはとても困難です。

双極性障害を診断するには、少なくとも1回以上の躁エピドードや軽躁エピソードが必要になります。

しかしながら気分が良い躁状態や軽躁状態は、本人としては「普通のこと」と感じてしまって自覚していないことも多いです。

このため双極性障害と診断されるまでに時間がかかり、その過程で仕事や生活に様々な支障が出てしまいます。

このような双極性障害の要素の有無を見極めるために、BSDSというスクリーニング検査が開発されています。ここでは、BSDSをご紹介していきます。

 

1.BSDS(双極性スペクトラム診断スケール)とは?

BSDSは、双極性スペクトラムの要素があるかどうかのスクリーニング検査です。陰性であれば、双極性スペクトラムの可能性が低いです。

BSDSは、2005年にGhaemiらによって開発された心理検査です。双極性スペクトラム障害(気分に波がある病気の総称)を診断するためのスクリーニング検査になっています。

患者さんが自分で答えていく自記式の心理検査で、双極性障害を幅広くスクリーニングすることができます。

BSDSは非常にユニークな検査で、双極性障害の患者さんが一般的に経験する気分変動や躁状態、うつ状態を記述した19の文章を読んでいくことで診断します。

まず一気に通読して、全体的に症状があてはまるかどうかを評価します。その後、自分の症状に該当するものにチェックをつけていきます。

全部で25点満点ですが、11点以上(原版では13点)で双極性スペクトラム障害が陽性となります。感度0.63、特異度0.73という検査になります。

スクリーニング検査として行う場合は、陽性だから双極性障害というよりは、陰性だから双極性障害ではないという使い方のほうが有用と思われます。

具体的に説明してみましょう。双極性障害の有病率を1%と仮定して、感度0.63、特異度0.73の意味することをお伝えしていきます。

  疾患あり 疾患なし 合計
陽性 6.3 270 276.3
陰性 3.7 730 733.7
合計 10 1000 1010

検査が陽性でも、本当に双極性障害の患者さんは2.3%しかいません。(陽性的中率)

それに対して検査が陰性の患者さんは、99.5%で双極性障害ではありません。(陰性的中率)

 

2.BSDSで双極性障害でないことをチェックー簡易版

はじめに、BSDSをチェックテスト形式にしてご紹介します。精度が変わってしまうと思いますので、正確にチェックしてみたい方は、次の原版をご覧ください。

  • 10点以下であれば、双極性障害は疑いにくい

 

3.BSDSで双極性障害でないことをチェックー原版

最後に、BSDSの原版をご紹介します。

空欄がありますが、それを埋める前に文章全体を一読して質問に答えてください。

自分自身の気分およびエネルギーの程度が、時々大幅に切り替わることに気づく人がいます( )。この人たちは、自分たちの気分およびエネルギーの程度が、あるときはとても低く、またあるときはとても高いことに気付きます( )。「低い(ローテンション)」段階にあるあいだ、この人たちはエネルギーが不足していると感じ、ベッドの中で居続けたり、余分に眠ったりする必要があると感じ、そして自分たちがすべき物事を行うことに、ほとんどやる気を感じないことがしばしばあります( )。この期間中、彼らはしばしば体重が増加します( )。低い段階のあいだ、この人たちはしばしばブルーになったり、その間ずっと悲しく感じたり、あるいは落ち込んだりします( )。時々、この低い段階の間、彼らは絶望的になったり、死にたくなったりさえします( )。彼らの仕事の能率や社会的な役割を果たす能力に支障をきたしています( )。この手のパターンをもった人たちは、気分が変動する合間に、「正常な」気分の時期、つまり彼らの気分やエネルギーの程度がちょうどよく、かつ機能するための能力が障害されていない時期を経験するかもしれません( )。そしてかられは気分が著しく変化したり、スイッチのように切り替わったりしていることに気づくこともあります( )。彼らのエネルギーは正常以上に増加し、そして、通常ではできなかったであろう物事をしばしば成し遂げます( )。時々、この「高い(ハイテンション)」段階にあるあいだ、この人たちはまるで過剰なエネルギーに溢れていたり、「ハイな(ハイパー)」気分になったりしているかのように感じます( )。このハイの時期に、イライラしたり、ピリピリしたり、あるいは攻撃的になったりするような人がいます( )。ある人は、このハイの時期、とてもたくさんの活動に一度に取り組みます( )。ある人は、このハイな時期に自分自身にトラブルを引き起こすようなやり方でお金を浪費するかもしれません( )。この期間中、彼らはいつもよりおしゃべりになったり、社交的になったり、性的に活発になったりするかもしれません( )。時々、ハイの期間中の彼らの行動が奇妙に見えたり、他人の気に障ったりします( )。時々、このハイの期間に、彼らは飲酒量や市販薬の使用量が増えたりします( )。

質問

Q1.この一連の文章を読んでみて、次の4つの枠のうち1つにチェックをつけてください。

( )この話は、非常によく、あるいはほぼ完ぺきに私に当てはまる

( )この話は、だいたい私に当てはまる

( )この話は、ある程度私に当てはまるが、たいていの箇所で当てはまらない

( )この話は、本当にまったく私に当てはまらない

Q2.それではさかのぼって、あなたのことを確実に描写しているそれぞれの文章の後の( )の箇所にチェックをつけてください。

結果の評価方法は、Q1がそれぞれ上から、6点・4点・2点・0点となります。Q2は、チェックがひとつつくごとに1点となります。